筋肉づくりのためのタンパク質（プロテイン）は
「ただ摂っていればいい・・・」と誤解されている人もいらっしゃいます。
スポーツジムやドラックストアーなどで売られているプロテインパウダーや
プロテインバーなどは、ただ飲むだけで筋力がアップしたり、
筋肉が大きくなったりと、筋肉づくりを促進するような魔法の薬ではありません。
筋肉づくりは、超回復を起こすために
「トレーニングによって筋肉に負荷をかけて刺激を与える」
「トレーニングによって破壊された筋線維を修復するため休息」
それに「新しい筋肉をつくるための栄養」が必要で、
タンパク質は筋肉の材料であり、プロテイン（タンパク質）は、
ただ筋肉づくりに必要な条件の一つでしかありません。
そんなタンパク質は、炭水化物、脂質と並び三大栄養素の一つで、
筋肉づくりだけでなく、内臓、血管、皮膚、髪など、
人の体のさまざまな部分の組織を構成する材料になっており、
健康的な体を保つためにも、
毎日の食事から十分な量のタンパク質を摂ることが必要です。
そもそも人の体は、水分と脂質を除くとほとんどがタンパク質でできているので、
タンパク質は絶対に欠かすことができない栄養素であるというわけです。
口から取り込まれたタンパク質は、一旦、胃や腸で
２０種類のアミノ酸という最小単位に分解されて体内に吸収されます。
その後、それぞれの部位に送られ、そこで機能するタンパク質として
再合成されますが、その数は、なんと１０万種類にもなるそうです。
たった２０種類のアミノ酸が、それぞれの組み合わせによって
１０万種類もの異なったタンパク質ができるので、本当に驚きです。
この２０種類のアミノ酸は、イソロシン、ロイシン、リジン、メチオニン、
フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの
９種類の「必須アミノ酸」と、
チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、
グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニンの
１１種類の「非必須アミノ酸」に分かれます。
必須アミノ酸とは、体内で合成することができず、
必ず外部から摂取しなければならないアミノ酸の総称で、
この９種類の必須アミノ酸がバランスよく十分に含まれているものが、
良質のタンパク質とされています。
当然、効率よく筋肉づくりをするには、
できるだけ良質のタンパク質を摂ることが大切です。
では、どんなタンパク質が良質か？ というと、
食品では、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、卵、大豆、豆腐、チーズなどが挙げられますが、
必須アミノ酸の含有率をわかりやすく数値化して示している
「アミノ酸スコア」を見れば簡単に分かります。
アミノ酸スコアが、「１００」に近いほどバランスが良く、
良質なタンパク質となります。
市販されているプロテインパウダーやプロテインバーなどは、
ほとんどがアミノ酸スコア１００になっています。
